【赤帯①】EV充電できない、そんな時には...:困った時の必殺技

2025年6月26日

この記事でわかること

  • 充電できない・遅い場合の原因と具体的な対処法
  • 車種による充電能力の違いと設備との適合性の確認方法
  • 緊急時に充電を確保するための準備

 はじめに


赤帯では、EV充電のトラブル対応について学びます。白帯から順番にスキルアップしてきた皆さんなら、もう基本的な充電は問題なくできるはずです。でも、実際のEVライフでは予想外のトラブルに遭遇することもあります。「充電できない!」「いつもより充電が遅い...」そんな困った時にも冷静に対処できるのが、赤帯の実力です。トラブルを一刀両断

する必殺技を身につけて、どんな状況でも安心してEVライフを楽しめるようになりましょう!


充電できない時の対処法


まずは基本的なチェックポイント

「EV充電コンセント」に繋いだのに充電が始まらない時は、慌てずに基本的なポイントをチェックしましょう。


まず確認したいのは、充電ケーブルの接続状況です。車側とコンセント側、両方がしっかりと奥まで差し込まれているかを確認してください。特に車側のコネクタは、「カチッ」という音がするまでしっかりと押し込む必要があります。


次に、車のシフトが「P(パーキング)」になっているか、サイドブレーキがかかっているかも確認しましょう。安全装置により、これらの条件が満たされていないと充電が開始されない車種もあります。

電源とブレーカーの確認

基本的な接続に問題がなければ、電源周りを確認します。充電ケーブルにはコントロールボックスが付いています。コンセントへ接続後、コントロールボックスのランプが正しく点灯しているか、確認してみましょう。消灯している場合は電源供給に問題がある可能性があります。


戸建ての場合は、分電盤でEV充電用のブレーカーが「ON」になっているかチェックしてください。ブレーカーが落ちている場合は、上げ直すことで復旧します。


マンションの場合は直接ブレーカーを確認することはできないので、充電設備に電源が来ていないと思われる時は、サービス提供会社に連絡して設備の確認を依頼しましょう。

車両側の充電設定を詳しくチェック

充電トラブルの多くは、車両側の設定が原因のケースも多くあります。まず確認したいのはタイマー充電の設定。深夜電力を利用されている場合、深夜帯設定になっているケースがあります。その場合はつないでも充電が始まりません。充電したい時は、車側のタイマー設定を一時的に解除しましょう。


充電上限設定も重要なポイントです。普段80%で充電を停止する設定にしていると、それ以上は充電されません。長距離ドライブ前などで100%まで充電したい時は、上限設定を変更する必要があります。


ちなみに、バッテリーの特性上、充電量が100%に近づけば近づくほど、充電速度が落ちるので80%以上になると、一気に速度が落ちることも覚えておきましょう。また、一部の車種では電流の設定ができます。6Aや8Aなど低い設定になっていると、充電速度が遅くなります。状況に合わせて、車側で適切な電流(アンペア)に設定しましょう。

車種による充電能力の違いに注意

EVやPHEVの充電能力は車によって異なります。例えば、PHEVの場合、3kW(約15A)の普通充電にしか対応してない場合が多く、6kW(約30A)の充電器では充電ができません。


「EV充電」を効率的に行うには、自分の車が何kWまで対応しているかを把握することが大切です。購入前の検討材料として、車両の取扱説明書やメーカーのウェブサイトで確認しましょう。


充電が遅い時の原因と対策


電源容量と同時使用の影響

「いつもより充電が遅い」と感じる時は、電源容量の問題が考えられます。集合住宅など、マンションでの充電環境では、全体の電力使用量を考慮して、複数のコンセントを適切にコントロールします。その場合は充電速度が下がる場合があります。


また、戸建ての場合、家庭内で大型の電気機器(エアコン、電子レンジ、IHクッキングヒーターなど)を同時に使用していると、充電に回る電力が制限される可能性があります。可能であれば、大型電気機器の使用を一時的に控えてみてください。

ケーブルと接続部の状態チェック

充電ケーブルやコネクタ部分の汚れや損傷も、充電速度に影響する場合があります。定期的にケーブルを点検し、コネクタ部分に汚れや水分が付着していないか確認しましょう。


汚れがある場合は、乾いた布で優しく拭き取ってください。水分がある場合は完全に乾燥させてから使用します。コネクタ部分は精密な部品なので、無理な力を加えずに丁寧に扱うことが大切です。


緊急時の充電確保術


充電スポット検索アプリの活用

外出先でバッテリー残量が心配になった時は、充電スポット検索アプリが頼りになります。「Google map」などでも表示されますが「EVsmart」「GoGoEV」などの専用アプリを活用して、現在地から近い「EV充電スタンド」を素早く見つけましょう。


アプリでは充電器の種類(普通充電・急速充電)、利用可能時間、料金なども確認できます。緊急時には急速充電器を優先的に探し、30分程度で当座の電力を確保するのが効果的です。

優しい運転で航続距離を延ばす 

バッテリー残量が少ない時は、優しいアクセルワークで航続距離を延ばしましょう。急加速を避け、一定速度での走行を心がけることで、電力消費を抑えられます。エアコンの使用も控えめにして、窓を開けて換気するなど、可能な範囲で電力消費を抑える工夫をしてください。


大切な日々のチェック


日々のチェック

トラブルを未然に防ぐには、日々のチェックが重要です。充電ケーブルの状態、コネクタ部分の清掃、特にケーブルの根元のところが傷みやすいので丁寧に扱いながら、充電設備周りの環境確認などを行いましょう。また、充電履歴をチェックして、いつもと違う充電パターンがないかを確認することも、早期発見につながります。


また、バッテリーは温度に敏感です。季節の変わり目には充電習慣を見直し、その時期に適した充電計画に調整することも重要です。トラブルの多くは、日々の充電から気づくことも多いので、充電ケーブルの丁寧な取り扱い、適切な充電タイミング、バッテリー残量の管理などに注意をしながら、基本的な日々のチェックを大切にしましょう。


 まとめ


赤帯として、EV充電のトラブル対応について学びました。充電できない時の基本的なチェックポイント、充電が遅い時の原因と対策、季節による影響への対応、緊急時の充電確保術まで、様々な状況に対応できるスキルが身につきましたね。


これらの必殺技を身につけることで、どんなトラブルが起きても冷静に対処できるようになります。最後は「EV充電の未来を読む」で道場の締めくくりとしましょう。赤帯として、EV充電のエキスパートレベルに到達です!

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