2025年7月4日

電気自動車(EV)の普及が加速する中、東京都が全国に先駆けて2025年4月から新築マンションでのEV充電設備設置を義務化しました。この画期的な制度は、マンション管理組合や住民の皆さまにとって大きな転換点となります。
東京都、新築マンションでEV充電設備義務化の狙い
東京都は「ゼロエミッション東京」を掲げ、2050年までのCO2排出量実質ゼロを目指しています。その実現に向け、2025年4月より「改正環境確保条例」が施行され、都内の新築建物を対象に電気自動車(EV)用充電設備の設置が義務化されました。
この動きは単なる環境政策に留まらず、マンションの資産価値や居住者の満足度に直結する重要な要素です。政府は2035年までに新車販売を電動車100%にする目標を掲げており、EVシフトは国全体の大きな潮流となっています。東京都はさらに、2030年までに都内の新車販売を100%非ガソリン化し、そのうち50%をゼロエミッション車(ZEV)とする高い目標を設定しています。
東京都は、2030年までに集合住宅に6万基のEV充電器を設置する目標も掲げています。この義務化により、EV充電設備の有無がマンションの資産価値に大きく影響すると予想されます。将来的には、宅配ボックスのようにEV充電設備が「標準設備」として認識される可能性が高く、設置されていないマンションは住居選びの選択肢から外れるリスクがあります。
※ZEV:Zero Emission Vehicles:排出ガスを一切出さない、あるいは排ガスが極めてクリーンな自動車を指します。具体的にはハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車、クリーンディーゼル車、燃料電池車を指します。
東京都のEV充電設備設置義務化を徹底解説
東京都は2025年4月から、建物規模に応じて2つの制度でEV充電設備の設置を義務化します。
大規模建物(2,000㎡以上):建築物環境計画書制度の強化
中小規模建物(2,000㎡未満):建築物環境報告書制度(新設)
大規模建物(延床面積2,000㎡以上)
対象となる建物
基本条件
- 延床面積2,000㎡以上の建物(新築・増築・改築)
- 駐車場を設置する建物
駐車場の種類別条件
- 専用駐車場:5区画以上
- 共用駐車場:10区画以上
設置基準の詳細
専用駐車場(5区画以上)
項目 | 基準 | 上限 |
---|---|---|
充電設備設置 | 駐車区画の20%以上 | 10台 |
配管等整備 | 駐車区画の50%以上 | 20台 |
共用駐車場(10区画以上)
項目 | 基準 | 上限 |
---|---|---|
充電設備設置 | 1区画以上 | 制限なし |
配管等整備 | 駐車区画の20%以上 | 10台 |
中小規模建物(延床面積2,000㎡未満)
制度の仕組み
対象者:建物供給事業者(ハウスメーカー、ビルダー、デベロッパーなど)
義務対象:都内年間供給面積2万㎡以上の事業者
任意参加:年間供給面積5千㎡以上の事業者も参加可能
建物種別ごとの基準
戸建住宅
整備基準(義務)
- 対象:駐車区画を有する全ての戸建住宅
- 配管等整備:1台分以上
- 充電設備整備:任意
誘導基準(努力義務)
- V2H設備:1台分以上の設置
戸建住宅以外(集合住宅・非住宅)
整備基準(義務)
- 対象:10台以上の駐車区画を有する建物
- 配管等整備:駐車区画の20%以上(充電設備設置分を含む)
- 充電設備整備:1台分以上
誘導基準(努力義務)
- 配管等整備:駐車区画の50%以上
- 充電設備整備:駐車区画の20%以上
- V2H設備:1台分以上
設置例
集合住宅(駐車場10区画)の場合
駐車区画:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
【整備基準(義務)】
充電設備:■ □ □ □ □ □ □ □ □ □ (1区画以上)
配管等 :■ ■ □ □ □ □ □ □ □ □ (2区画以上)
【誘導基準(努力義務)】
充電設備:■ ■ □ □ □ □ □ □ □ □ (2区画以上)
配管等 :■ ■ ■ ■ ■ □ □ □ □ □ (5区画以上)
適用除外
当面対象外
- 機械式立体駐車場
- 技術上、安全上、法令上の事由により設置困難な駐車区画
- 販売・展示用、荷さばき用等の特殊用途駐車区画
制度比較まとめ
大規模建物(2,000㎡以上) | 中小規模建物(2,000㎡未満) | |
---|---|---|
対象者 | 建築主 | 建物供給事業者 |
適用 | 個別建物ごと | 事業者単位(年間供給量) |
集合住宅 | 5区画以上で適用 | 10区画以上で適用 |
集合住宅におけるEV普及の課題と充電設備義務化の重要性
日産自動車が実施した調査によると、集合住宅に居住する人々の間で、EV(電気自動車)充電設備の不足が深刻な課題として浮上しています。具体的には、調査対象者の約8割が、自宅でのEV充電設備の不在に不満を感じており、実に77%もの人々が、充電インフラの不足を理由にEVの購入をためらっていることが明らかになりました。
このデータは、EV普及における集合住宅の特殊な事情を浮き彫りにしています。一戸建て住宅の場合、所有者が個人の裁量でEV充電設備を設置することが比較的容易です。しかし、マンションやアパートといった集合住宅では、共有スペースへの設備設置となるため、管理組合の承認や、設置費用、電力容量の確保など、様々な障壁が存在します。このため、EVに関心を持つ住民がいても、充電環境が整っていないためにEVへの乗り換えを断念せざるを得ない状況が頻繁に発生しているのです。
このような背景から、EV充電設備の義務化は、集合住宅に住む人々の「EVに乗りたい」という潜在的なニーズに応える上で極めて重要な施策となります。義務化によって、集合住宅への充電設備設置が促進されれば、これまで充電の不安からEV購入を躊躇していた人々が安心してEVを選択できるようになります。これは、個人のライフスタイルに合わせたEV利用を可能にするだけでなく、社会全体のEVシフトを加速させ、脱炭素社会の実現に向けた大きな一歩となるでしょう。
EV充電設備の義務化は、単なる規制強化に留まらず、集合住宅におけるEV普及を阻害する根本的な課題を解決し、より持続可能なモビリティ社会を構築するための不可欠な要素であると言えます。

既存マンションでも活用できる東京都助成金制度
これまで新築マンションへの義務化についてご説明しましたが、既存のマンションにお住まいの方々にとって朗報があります。東京都は新築建物の義務化だけでなく、既存の集合住宅に対してもEV充電設備導入を強力に支援する助成金制度を用意しています。
東京都助成金でコストを3分の1に——今がEV充電設備を入れる絶好のタイミング
東京都はEVの普及促進のため、集合住宅向けに充電設備導入の手厚い補助金を提供しています。実際に、まだEVが1台もないマンション管理組合でも導入を決めており、充電設備導入後はマンション内でのEVシフトが起きています。
東京都補助金の詳細
充電用コンセントの場合
- 1基目:上限95万円
- 2基目以降:上限48万円
機械式駐車場の場合
- 1基目:上限171万円
- 2基目以降:上限86万円
充電設備口数に上限はありません。
導入環境の劇的な変化
Before(補助金なし)
初期費用がネックとなり、導入を断念するマンション
After(東京都補助金活用)
- 設備工事費の大部分が補助対象(消費税は除く)
- 機械式駐車場でも手厚い補助
- 充電設備口数の上限なし
もう費用を理由に諦める必要はありません。
今が導入のベストタイミングである理由
新築マンションでは義務化により充電設備が標準装備となりますが、既存マンションでは補助金を活用することで同等の環境を整えることができます。特に機械式駐車場を持つ東京都内のマンションでは、補助金なしでの設置には軽く数百万円のコストがかかります。
将来、新築マンションがEV充電設備完備となる中で、既存マンションの資産価値維持・向上を図るためには、今のうちに補助金を最大限活用して先行設置することが賢明な判断です。また、補助金制度はいつまで続くか分からないため、制度が利用できる今こそが最適なタイミングといえます。
WeChargeの全面バックアップ
EV充電設備義務化の波に乗り遅れることなく、既存マンションでも物件の資産価値と居住者満足度を同時に高めることができます。まずは、WeChargeに問い合わせて、あなたのマンションが何基分の補助金をフル活用できるかをチェックしてみませんか。
充電設備の設置から始めて、新築マンションに負けない設備を実現しましょう。